看護師の電話対応に関する注意点

看護師は、機械的に医療行為を施せば良いという訳ではなく、あらゆる場面で常に患者に対するホスピタリティを求められます。電話対応においても、患者やその家族に対する接遇について配慮しなければなりません。電話では、相手の顔が見えないので、特に言葉遣いや声のトーンに気を配る必要があります。診療の予約や確認といった事務的な内容に関しては医療事務が電話対応できますが、患者の容態の急変など看護師が対応せざるを得ない状況も生じるでしょう。

傷病につき不安に陥っている患者や家族を落ち着かせ、安心してゆっくり話せるよう、看護師は上手く対応しなければなりません。まず、落ち着いた声のトーンを保ち、ハキハキとした態度で相手にわかりやすい言葉を用いて話しましょう。要領よく簡潔に話すことも大切です。患者や家族が慌てている時に、看護師もいっしょになって狼狽えてはいけません。特に、家族に容態が急変した患者の様子を伝える時は、慎重な対応が不可欠です。たとえ重篤な状態でも、そのまま事実を伝えることは禁じられています。

ありのままの現実を知ると、家族がパニックに陥り、二次災害を招くことがあるからです。重体や危篤のように相手を不安にさせる言葉を避け、治療中や安定といった相手を安心させるワードを選びましょう。重傷のケースでも、単に、「怪我をされました」とだけ伝えるようにします。ただし、「至急来院してください」といったように、緊急性があることは正確に伝えなければなりません。相手を慌てさせず、かつ的確な指示を伝達する工夫が不可欠なのです。